【見落としがちなチェック項目】まわりの建築計画

不動産を選ぶ上でまわりの建築計画を知っておくことは重要なことです。「見晴らしが良い」とか「日当たりが良い」という予定で住み始めた家が、数ヵ月後には隣に高層マンションが建って見晴らしも日当たりも悪くなってしまった。また、閑静な住宅街だと思っていたところに、突然工場や深夜まで営業する大型店舗ができた。などということでは生活環境がガラッと変わってしまいます。

こんなことにならないよう、購入する(借りる)家そのものだけでなく、まわりの建築計画について気を配っておきましょう。ではどうやって調べるのか。 まず、現在建築中または、建築計画が決定しているものに関しては、現地に建築計画の看板があるので大体どんな建物が建つかわかるでしょう。しかも、これらのことに関しては不動産会社が重要事項説明で説明しなければいけないことですので教えてもらえるはずです。

では、現時点ではまだ建築計画が無いものについてはどうすればわかるでしょうか。 計画がまだ無い時点で、どこに何が建つかを予想するのはかなり困難なことです。しかし、ズバリ予想するのはできなくとも、建築される可能性が高いかどうかの判断は可能です。

れは宅地化されているような土地には多くの場合それぞれの地域ごとに「用途地域」というものが役所の方で定められております。簡単にいいますと、この用途地域によりそれぞれの地域が住居系・商業系・工業系というような具合に定められています。厳密にはもっと細かく分かれていますし、他にも細かい基準や規制がありますが、この用途地域により建てられる建物の高さや種類がおおかた決ります。

つまり、自分のお目当てのある物件の用途地域を調べれば、高層マンションは建てられないとか、工場はできないとか、パチンコ屋はできない・・・等ということは判断できます。この用途地域も重要事項説明で不動産会社が説明しなくてはならないことの一つですので教えてもらえます。

しかし、この用途地域というものは地域ごとに定められていますので、その境界線近くの場合では隣地は全く異なる用途地域という場合もあります。ですから、自分の家は確かに一戸建てくらいしか建たない地域なのに、すぐ近くに工場ができてしまう、ということも起こり得ます。このようなときに住民と建主との間で建築反対運動のようなトラブルがよく生じます。

厳しいようですが、現在のところ建築基準法で定められた範囲内であれば基本的にどんな建物でも建築許可は出ます。後から悔やんでも手遅れになってしまいますので、前もって当該地域がどんな用途地域かを確認しておくことをお薦めします。すでに家を所有されている方も、将来的にまわりにどんな建物が建つ可能性があるか確認しておいた方が良いでしょう。

ただ、この用途地域や建築基準法などは一度決ったら絶対変わらないわけではありません。法律ですからそれほど頻繁に大きく変わるものではありませんが、絶対とは言い切れませんのでご注意ください。